口呼吸が原因?いびき治療は矯正歯科で

「家族からいびきがひどいと指摘された」「子どものいびきが気になる」そんなお悩みはありませんか?
実は、いびきの原因は「口呼吸」の可能性があるのです。
口呼吸の原因はさまざまですが、歯並びやあごの形と深い関係があることがわかっています。矯正歯科では、歯並びの改善を通じて口呼吸の習慣を見直し、いびきを根本から改善する治療が目指せます。
本記事では、口呼吸といびきの関係や矯正治療による改善法について詳しく解説します。
目次
口呼吸といびきの関係とは?

口呼吸は、いびきを引き起こす大きな原因のひとつです。口で呼吸をすると、舌が喉の奥へ落ち込み、気道(空気の通り道)が狭くなってしまいます。
とくに睡眠中は全身の筋肉がゆるむため、起きているときよりも気道がさらに狭くなります。その結果、深く息を吸い込む際に、狭い気道を通る空気が粘膜を振動させ、「いびき」として音が発生するのです。
いびきのおもな原因として、以下の6つがあげられます。
- 口呼吸
- あごが小さい
- 扁桃腺が大きい
- 鼻詰まりがある
- 肥満
- ストレス
いびきは単なる音の問題ではなく、健康にも深刻な影響を与えるため注意が必要です。いびきが進行すると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)になるリスクが高まり、日中の強い眠気や集中力の低下、記憶力の衰えなどにつながります。
さらに、無呼吸により酸欠状態となるため心臓や血管系に負担がかかり、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などのリスクも増加させてしまうのです。
「ただのいびきだから…」と放置せず、日常的にいびきが見られる場合は、医療機関に相談しましょう。
なぜ矯正歯科でいびき治療ができるのか?

矯正治療により、歯並びやかみ合わせ、あごのバランスを整えることで、いびきの原因にアプローチできます。
いびきが起こる原因として「舌が喉の奥に落ち込み、気道がふさがれること」があげられます。とくに、あごが小さい・後方に下がっている場合は、舌の位置が下がり、いびきを引き起こしやすくなるのです。
また、歯並びが悪いと、口が閉じづらく口呼吸になりやすくなります。矯正治療で歯並びを改善することで、自然と口を閉じられるようになり、口呼吸の改善が期待できます。
矯正歯科では、あごの位置や大きさも考慮し、歯並びやかみ合わせの改善を行います。そのため、あごを広げたり、前方に誘導する治療が必要となる場合があるのです。
治療により舌の位置が安定し、いびきの改善や、鼻呼吸がしやすくなる効果が期待できるでしょう。
歯並びやかみ合わせの乱れが呼吸に与える影響
歯並びやかみ合わせが悪いと、舌が正しい位置に収まりにくくなります。本来、舌は上あごにつき、前歯を押さない位置が正しい状態です。
以下のような歯並びでは、口をしっかりと閉じることが難しく、口呼吸になりやすくなります。
- 上顎前突(じょうがくぜんとつ):上の歯が下の歯に対して著しく前に出ている、いわゆる出っ歯の状態
- 下顎前突(かがくぜんとつ):下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態。受け口とも呼ばれる
- 開咬(かいこう):奥歯をかみ合わせたときに、上と下の前歯の間にすき間がある状態
反対に、習慣化された口呼吸が原因で上記のような不正咬合につながる場合もあります。
このように、歯並びと口呼吸は、相互に影響を与え合う関係にあると言えるのです。
矯正治療で口呼吸を改善し、いびきの根本改善を目指す
矯正治療は、口呼吸の原因そのものにアプローチできるため、対症療法ではなく根本的な改善が期待できます。
矯正歯科では、マウスピース矯正やワイヤー矯正といった方法により、歯並びの改善や、あごの発育のコントロールを行います。矯正治療を行うことで気道のスペースが広がり、自然と鼻呼吸がしやすくなるのです。
特に子どもの頃から行う歯科矯正では、あごの発育を促進することで、舌の位置を正常化しやすくなります。
5歳からの口呼吸・いびき対策と矯正治療

矯正治療は歯並びを整えるだけでなく、口呼吸やいびきの改善にもつながります。
とくに5歳ごろから行う早期治療では、上あごの発育を正しく促し鼻呼吸をしやすくするため、口呼吸やいびきの軽減に効果的です。
上あごの成長は5〜7歳にピークを迎え、10〜12歳で完了します。この時期は骨の成長にアプローチしやすく、歯列や顔の骨格の成長をコントロールするのに適したタイミングです。この時期に適した矯正治療を行えば、骨格の成長を良い方向へ導けます。
一方で、口呼吸の癖を放置したままにすると、成長に悪影響を与える可能性があります。口呼吸は、上あごの発育不足や出っ歯、開咬などの原因になり、睡眠の質を下げる原因にもなるのです。
子どもの矯正治療には、呼吸以外にも以下のメリットがあります。
- むし歯や歯周病のリスクを下げる
- 歯を抜かずに歯並びを整えられる可能性が高くなる
- あごの成長を利用した矯正治療が可能になる
早期の矯正治療は、お口だけでなく、身体全体の健康維持につながります。適切なタイミングで矯正治療が始められるよう、定期的に歯科でお口の状態を確認しましょう。
当院は、大切な歯を抜かずに歯並びを整えられる「顎顔面矯正治療法」を行っております。
あご全体のバランスを改善し正しい発育を促すことを目的としており、上あごとあわせて鼻腔や気道も広がるため、いびきの軽減も期待できます。
子供の口呼吸・いびきが成長に及ぼす影響
口呼吸が続くと、歯並びの乱れだけでなく、学習・集中力への悪影響も出てきます。
睡眠中は子どもの成長に欠かせない「成長ホルモン」が分泌されます。ところがいびきで睡眠環境が悪化すると、成長ホルモンの分泌に悪影響を与える恐れがあるのです。
さらに、睡眠の質の低下により、日中の集中力や学習においても影響が出る恐れがあります。
「子どものいびきだから大丈夫」とそのままにするのではなく、早い段階で専門的な診断や治療を受けることが大切です。
大人の口呼吸・いびき対策|矯正歯科のマウスピース治療

大人でも、マウスピースを使った矯正治療により、口呼吸やいびきの改善が期待できます。
マウスピース矯正は装置が目立ちにくく、取り外しができるのが特徴です。
そのため、食べものの制限がなく、歯磨きもしやすいといったメリットがあります。
歯列全体を大きく動かす必要のある矯正には向かないものの、装置の違和感や痛みが少ない点もメリットと言えるでしょう。
矯正により歯並びを改善し舌のスペースを確保することで、自然と口呼吸が改善され、睡眠の質向上も期待できます。
歯並びを整えると、いびきの改善以外にも、さまざまなメリットが得られます。
- お口の清掃がしやすくなり、むし歯や歯周病予防につながる
- 歯並びが整い、口元に自信が持てるようになる
- 自身の歯を残すことにつながる
- 全身の健康にもよい影響を与える
マウスピース治療は、歯列を広げ舌の落ち込みを防止することで、いびきの改善が期待できる治療法です。
鼻呼吸促進のための矯正的アプローチ
矯正歯科は、歯列を拡げたりあごのバランスを整えたりするなど、専門的な治療で鼻呼吸を促進します。
治療前に以下のような精密検査を行い、治療計画を立てていきます。
- レントゲン
- 歯の型どり
- お口全体のCT撮影 など
お口の状態や歯並び、あごや歯の大きさはさまざまです。そのため、患者様お一人お一人に合わせた治療計画を立てることが重要です。
補助グッズ(口閉じテープなど)と併用した治療のポイント
市販の口閉じテープや鼻腔拡張テープは、一時的ないきび対策のサポートとして活用できます。こうしたアイテムの使用により、物理的に口を閉じたり、鼻腔を拡げたりすることで、鼻呼吸を促すことができるでしょう。
ただし、口閉じテープや鼻腔拡張テープは、あくまで鼻呼吸を促すための補助グッズです。あごの構造や歯並びが原因で口呼吸になっている場合、根本的な問題を解決することは難しいと言えます。
まずは原因を特定するために、歯並びやあごの状態を歯科で確認するのがおすすめです。
口呼吸・いびき治療のご相談は矯正歯科へ

口呼吸やいびきは、全身の健康にも影響する可能性があります。
そのため、「ただのいびきだから」と放置せず、医療機関で適切な診断や治療を受けることが大切です。
とくに、口呼吸やいびきの原因が歯並びにある場合、歯科矯正により根本から改善していく必要があります。
当院では、歯科矯正の無料相談を行っております。お子様の矯正も行っておりますので、大人の方だけでなく、お子様の歯並びやいびきでお悩みの方も「歯科あべクリニック」へご相談ください。