矯正歯科の選び方とは?失敗しないために知っておきたい10のポイントを認定医が解説

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「歯科矯正したいけど、結局どの歯科医院を選べばいいの?」と迷っていませんか?

歯科矯正は見た目の美しさやかみ合わせ、歯の健康を守るためにも重要な治療ですが、治療は数年にわたるケースも多く費用も高額です。

SNSや口コミだけを参考に歯科医院を選ぶ方法もありますが、医院選びが原因で後悔につながってしまっては本末転倒ですよね。

本記事では、歯科医院選びで失敗しないためにチェックすべき10のポイントを院長である私がわかりやすく解説します。子ども・中高生・大人といった年齢ごとの注意点や、治療後のアフターケアに関する大切な知識についても整理しました。

矯正治療は「どの医院を選ぶか」で、結果も満足度も大きく変わります。ぜひ本記事を参考に、安心して通える信頼できる矯正歯科を見つけてください。

矯正歯科を選ぶ際にチェックしたい10のポイント

矯正歯科選びは、単に「通いやすいから」「口コミが良いから」といった理由だけで決めてしまうと、治療中のトラブル対応や治療後の安定性に差が出る可能性があります。

ここからは、医院選びで必ず確認してほしい「10のチェックポイント」を具体的に解説していきます。

1.矯正歯科学会の認定医が常勤しているか

矯正治療は、一般的な虫歯治療とは異なり、専門的な知識と高度な技術が求められる分野です。

そのため「認定医」が常勤しているかどうかは、医院選びの重要な判断材料になります。

以下で代表的な矯正歯科学会・協会について簡潔にまとめています。

学会・協会名特徴認定制度
公益社団法人日本矯正歯科学会(JOS)学術研究・教育・診療の中心。社会的信用が高い。認定医・専門医制度あり
日本成人矯正歯科学会(JAAO)成人の歯並びや噛み合わせに関する研究・教育。歯周病や補綴(ほてつ:歯科機能回復治療)との連携も重視。独自の認定制度あり
日本矯正歯科協会(JIO)開業医の権益保護、情報共有、ネットワーク作りが中心。認定医制度なし

また「認定医在籍」とWebサイトに記載されていても、非常勤医が月に数回だけ来院する医院もあります。

認定医が常勤していない場合、万が一のトラブル時にすぐ対応できなかったり毎回違う医師に診てもらうことになったりと、一貫性を欠いた治療になる可能性も否定できません。

「認定医だから必ず良い」というわけではありませんが、一定以上の症例経験を積み、基準をクリアしている医師である証明にはなります。初めて矯正を検討する方には、認定医が常勤している医院をおすすめします。

2.CT検査やX線検査など検査環境が整っているか

矯正診断

初診時の診断精度がその後の治療結果を大きく左右するため、セファログラム(頭部X線規格写真)や歯科用CTの導入状況は、医院を選ぶうえで必ず確認しておきたいポイントです。

これらの機器があることで以下のような高度な診断が可能になります。

  • 骨格と歯の位置関係を三次元的に分析
  • 顎関節や歯根の状態を正確に把握
  • 治療シミュレーションを用いた計画の提示

逆に設備が整っていない医院では、目視や模型による診断に頼らざるを得ず、仕上がりや安定性に差が出る可能性があります。

3.複数の治療法から選べるか

セラミックブラケット

矯正治療は、以下のような方法があります。

  • ワイヤー矯正(表側・裏側)
  • マウスピース矯正(例:インビザライン)
  • 部分矯正(前歯だけの矯正など)
  • 外科矯正(骨格へのアプローチを伴う矯正)

医院によっては「マウスピース専門」「ワイヤー矯正のみ対応」といったように、治療法に偏りがある場合もあります。

患者一人ひとりの骨格や生活スタイルに応じた治療法を複数提示できないクリニックでは、再治療が必要になるなど、結果的に患者の負担が大きくなるケースもあります。

4.説明が丁寧か

矯正治療を安心して始めるためには、初診時やカウンセリング時の説明が丁寧であることが不可欠です。治療方針やリスク、費用に関する理解が不十分なままスタートしてしまうと、後々トラブルに発展する可能性があります。

丁寧な説明は単なるサービスではなく、医院の誠実さや信頼性をはかる重要なバロメーター。

信頼できる医院であれば、治療のメリットだけでなく、歯根吸収のリスクや治療期間の延長、装置による違和感といったデメリットについても隠さず誠実に説明してくれるはずです。

また、費用についても「基本料金の内訳」「追加費用の有無」「保定装置の料金」などを明示し、治療全体の総額がイメージできるよう配慮されているかどうかも大切なポイントです。

治療内容だけでなく、通院頻度や使用する装置の特徴についても、専門用語を避けたわかりやすい言葉で説明されるかを確認しておきましょう。

5.矯正中のトラブルに対応可能か

LINEで相談

矯正治療では、治療が始まった後もワイヤーの脱落やマウスピースの破損、装置による痛みなど、さまざまなトラブルが起こる可能性があります

そのため、トラブル発生時に迅速かつ柔軟に対応できる医院かどうかは、事前に確認しておきましょう。

土日診療の有無、平日夕方以降の対応、LINEや電話での急患受付など、生活スタイルに合わせた対応が可能かを見ておきましょう。

また、トラブル時の対応に別途費用がかかるかどうかも事前に確認しておくと安心です。

「困ったときにすぐ相談できるかどうか」は、治療の継続性にも関わる重要な視点です。初回カウンセリングで矯正歯科医(認定医)が常勤しているか、非常勤の場合はトラブル時にどのような対応をしているか等、少し突っ込んだ質問をしてみましょう。

6.一般歯科との連携があるか

マウスピースやワイヤー装置を装着している間は歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクも伴います。

虫歯の進行を防ぐためにも、一般歯科との連携は欠かせません。

しかし、矯正専門医院の中には虫歯治療を行っていないところもあり、その場合は他院への通院が必要になります。

そのため、虫歯や抜歯の必要がある場合に院内で完結できるかどうか、あるいは信頼できる提携先の歯科医院があるかを事前に確認しましょう。

総合的な口腔管理ができる医院を選ぶことで、治療の中断や転院の手間を防げます。

7.院内の衛生環境が整っているか

検査器具

治療の技術や実績も大切ですが、院内の衛生環境も確認してみてください。

治療器具が滅菌や感染対策が徹底されているかどうかはもちろん、診療ユニットや待合スペースが清潔に保たれているかをチェックしてみましょう。

安心して長期通院するためにも、衛生環境に配慮された医院で治療を受けましょう。

8.通院がしやすいか

家族集合

矯正治療は、基本的に月に1回程度の定期通院が数年続きます。

医院を選ぶ際は、自宅・学校・職場からアクセスしやすいか、駅やバス停が近いか、または駐車場があるかなど、通院のしやすさを具体的にイメージしましょう。

共働き家庭や学生の方にとっては、平日夕方や土日診療対応かどうかもひとつの判断材料になります。

また、小さなお子さまの矯正やお子様連れでの来院を検討している場合はキッズスペースの有無も合わせて確認してみましょう。

9.予約が取りやすいか

意外と盲点になりやすいのが「予約の取りやすさ」です。

人気のある医院では、次回予約が1〜2か月先になることもあり、その結果、治療が長引いたり調整間隔が開いて後戻りのリスクが高まることもあります。

スムーズな治療を続けるためには、以下のポイントをチェックしてみましょう。

  • 希望日時で予約が取りやすいか
  • オンライン・LINE予約に対応しているか
  • 急な変更時のキャンセル待ち対応があるか

10.口コミやレビューなどの評判はいいか

予約をする女性

最後にチェックすべきは、実際に治療を受けた方の声である口コミやレビューです。

Googleマップ、SNS、医療系口コミサイトなどを活用して、医院の評価や患者の体験談を確認しましょう。

特に注目すべきなのは、口コミの具体性です。

「説明が丁寧だった」「急なトラブルにもすぐ対応してくれた」「料金が明確だった」などの実体験は信頼性が高く、医院選びの参考になります。

一方で「待ち時間が長い」などのネガティブな口コミも人気の裏返しという側面もあるため、内容を冷静に判断してみましょう。

💡口コミのチェックポイント

  • 良い口コミだけでなく、悪い口コミの理由も見る
  • 公式サイトやSNSでの症例紹介が信頼できるか

最終的には、実際に自分の目で医院を見て、スタッフや医師の対応を確かめることが何より大切です。

また、それぞれの治療法で症例写真が公開されている医院であれば、自分と似た症例を確認しておきましょう。

治療後のイメージを具体的に持つことでモチベーションを維持しやすくなります。

【年齢・ライフステージ別】矯正歯科の選び方

同じ「歯並びを整える」治療でも、子どもと大人とでは目的や装置の種類、生活への影響が大きく異なるため、世代ごとの特性を踏まえた医院選びが重要です。

ここでは、小児・学生・成人といった年代別に、矯正歯科を選ぶ際のチェックポイントや注意点を詳しく解説します。

子ども(小学生~中学生)の場合

子どもの矯正

子どもの時期に矯正を始める場合「顎の成長を活かした治療」が可能です。

子どもの発育を理解し、成長に合わせた治療計画を立てられる医院を選びましょう。

この時期の矯正治療では、取り外し式の装置を用いるケースも多いため、子ども自身が協力してくれるかや家族の声掛けなどのサポート、習慣化が必要不可欠です。

また、子どもが前向きに通院できるよう明るい雰囲気の医院であること、キッズ対応の体制も重要な選定基準になります。

💡選び方チェックリスト

  • 小児矯正に強い医院か(症例数など)
  • 顎の成長を考慮した治療方針を提示してくれるか
  • 子どもが安心して通える環境が整っているか
  • 医師が高圧的ではないか・笑顔で対応してくれるか

当院はお子様の患者さまも多く、小児期の症例数も豊富です。キッズスペースも完備しているため、小さいお子様がいらっしゃる方でも安心してご来院いただけます。

中高校生~大学生の場合

中学生

思春期のお子様の場合、受験・部活動・留学といったイベントが重なる時期であるため、ライフスタイルを尊重しながら矯正治療を進められる医院を選びましょう。

装置の選択肢としては、マウスピース矯正や透明ブラケットなど、審美性に優れた方法が人気です。

ただし、これらの治療法には適応条件があるため、メリットだけでなくデメリットも含めて丁寧に説明してくれる医院かどうかを見極めましょう。

また、進学や転居が見込まれる場合は、紹介状や治療データの共有がスムーズに行える体制が整っているかどうかも安心材料になります。

学校帰りに立ち寄りやすい立地などの通いやすさ、部活後でも通える平日夕方~夜間の診療対応があるかも合わせてチェックしておきましょう。

💡 選び方チェックリスト

  • 目立たない矯正装置(マウスピース、透明ブラケット等)に対応しているか
  • 部活や進学を考慮した柔軟な治療スケジュールを組めるか
  • 学校帰りに立ち寄れる立地か、夜間診療に対応しているか
  • 転院時に紹介状・データ共有などスムーズな引き継ぎができるか

大人の場合

大人の矯正

成人矯正では、見た目の改善だけでなく、かみ合わせや歯周病への配慮といった機能的側面も重視しましょう。

単に歯をきれいに並べるのではなく、総合的な口腔内の状態を把握し、長期的な健康維持を視野に入れた治療ができる医院が理想です。

また、見た目に配慮した裏側矯正やマウスピース矯正も人気ですが、患者の希望と治療効果のバランスを取れる医院を選ぶと安心です。

治療後のリテーナー管理や定期チェックなど、長期的なサポート体制の有無も確認しておきましょう。

💡 選び方チェックリスト

  • 歯周病や顎関節症の有無を事前に検査してくれるか
  • 噛み合わせや機能改善まで視野に入れた治療方針か
  • 目立たない装置に対応しているか(裏側/マウスピース)
  • アフターケア(保定・メンテナンス)体制が整っているか

矯正歯科選びで失敗しないために知っておきたいこと

ここからは、矯正治療を安心して続けるために知っておきたい「3つのポイント」を具体的に解説していきます。

1.歯の機能性と審美性を両立した治療が必要

矯正治療では、どうしても歯並びの見た目ばかりに目が行きがちです。

しかし、見た目がきれいになっても噛み合わせが正しくなければ、将来的にトラブルを引き起こす可能性が高まります。

噛み合わせが合わないまま治療が終了すると、顎関節症・肩こり・頭痛・歯の摩耗といった不快な症状につながることもあります。

したがって、医院を選ぶ際には「歯を整列させること」だけでなく、噛む機能と審美性を両立させる治療を行っているかを重視することが大切です。

治療前に噛み合わせをしっかりチェックしているか、横顔や骨格のバランスまで考慮した診断を行っているかどうかを、カウンセリングで確認してみましょう。

💡 カウンセリング時の質問例

  • 虫歯や歯周病など、先に治療すべきことはありますか?
  • (顎関節症の疑いがある場合)矯正と顎関節症、どちらを先に治療すべきですか?
  • (選択する治療方法で)かみ合わせ・骨格はきれいになりますか?

2.矯正治療が難しいケースもある

重度の受け口(反対咬合)や開咬(奥歯しか噛み合わない状態)など骨格に原因がある場合、矯正治療単独では完全な治療が難しく、外科手術との併用(外科矯正)が必要になることがあります。

医院によって「どこまで対応できるか」は異なるため、ご自身の症例が矯正のみで治療可能か、外科的処置や他科との連携が必要かを必ず確認しましょう。

信頼できる医院は、最初から「あなたのケースは矯正単独では難しい」と正直に説明してくれるはずです。

3.矯正治療後も一定期間は保定が必要

矯正治療は「装置を外したらゴール」ではありません。むしろ本当の勝負はその後。

矯正治療後の歯は動かした直後が最も不安定で、骨や歯茎の組織がまだ固まっていないため、簡単に元の位置に戻ってしまいやすい状態にあります(「後戻り」といいます)。


そのため、矯正終了後にはリテーナー(保定装置)を装着し、数年間かけて歯を安定させる「保定期間」が必要です。

保定を怠れば、治療にかけた数年と高額な費用が無駄になり、さらに再治療となれば料金が追加で必要となります。

保定装置の料金が別途かかることもあるため、以下を事前に確認しましょう。

  • 保定費用や保定期間の通院費用は含まれているか
  • どのくらいの期間、どのような装置を使うのか
  • 定期検診でどのようにフォローしてくれるのか

歯科医院の種類

矯正歯科といっても複数の種類があり、それぞれ特徴や得意分野が異なります。

どの医院を選ぶかで治療の進め方や安心感が大きく変わるため、あらかじめメリットとデメリットを理解しておきましょう。

歯科医院の種類特徴・メリット注意点
一般歯科・虫歯・歯周病治療と並行可能
・通いやすく身近な存在
・矯正専門医が常勤でないことが多い
・専門性に差がある
審美歯科・ホワイトニングや補綴(ほてつ)治療と一緒に行える
・見た目に特化した治療が得意
・矯正に特化していない場合は症例数が少ない場合も
矯正歯科・症例数が豊富で最新の装置や技術を導入
・難症例にも対応可能
・一般歯科を併設していない場合、虫歯治療や抜歯は外部依頼になることがある
歯科大学
附属病院
・外科手術や難症例にも対応
・学術的根拠に基づいた治療
・待ち時間が長く、自由度や予約の取りやすさに欠ける
・治療課程を学生が見学する可能性がある

矯正歯科を選ぶ際の判断ポイント

ここからは、最終的に医院を決める前に押さえておきたい判断基準を詳しく見ていきましょう。

複数の矯正歯科でカウンセリングを受けてみる

矯正歯科は医院によって診断方法や治療方針が異なるため、必ず2〜3院でカウンセリングを受けて比較しましょう。

カウンセリングで「抜歯が必要」と判断する医院もあれば「非抜歯で対応可能」とする医院もあります。

また、治療費の総額や追加費用の有無、治療期間の提示も大きく異なるケースが少なくありません。

最初に「10のポイント」で候補を絞り込んだら、必ず別の医院でも意見を聞いてみましょう。

セカンドオピニオンを取ることで、偏った判断を避け、自分に最適な治療方針を見つけやすくなります。

特に大きな費用や数年単位の時間をかける矯正だからこそ「最初の医院の言葉を鵜呑みにしない」姿勢が失敗を防ぐ秘訣です。

当院はセカンドオピニオンも大歓迎です。
あなたの歯は一生もの。他の矯正歯科に決める前に最終判断のお手伝いをさせてください!

カウンセリングで聞くことを整理しておく

初めての矯正相談では、緊張して質問を忘れてしまったりその場の説明に納得してしまったりすることがよくあります。あらかじめ「聞くことリスト」を準備してカウンセリングに臨みましょう。

💡 聞くことリスト

  • 治療費の総額はいくらか?分割払いは可能か?
  • 装置代・調整料・保定費用など、追加費用の有無は?
  • 治療期間はどのくらいか?延長になる可能性はあるか?
  • 使用する装置の種類(ワイヤー、マウスピースなど)とそのメリット・デメリット
  • 保定装置の装着期間や通院頻度、費用は?
  • トラブルが起きた際の対応体制(急患対応、連絡方法)

相談しやすさなどの歯科医との相性を確認する

説明

矯正治療は、数年単位で通院する長期的な関係になるため、技術や費用だけでなく「医師やスタッフと信頼関係を築けるか」も大切にしましょう。

説明が丁寧で誠実か、質問しやすい雰囲気があるかどうかを、実際のカウンセリングで見極めてみてくださいね。

数年にわたり通うことを考えれば「安心して相談できる雰囲気」こそが、医院選びの決め手のひとつになるでしょう。

矯正歯科の選び方に迷ったら矯正歯科医の私にご相談ください

矯正治療は、時間も費用もかかる人生の大きな投資です。

だからこそ「どの医院を選ぶか」で、その後の満足度や治療結果が大きく変わります。

設備や費用のわかりやすさに加え、説明が丁寧で保定やアフターケアまで考えてくれるかどうかを確認してみてください。

そして、何よりも大切なのは安心して相談できるかどうかです。

数年単位で通うからこそ「ここなら任せられる」と思える医院を選ぶことが、満足のいく矯正につながります。

矯正歯科選びで迷われている方は、まずは気軽にご相談ください。あなたの歯並びの状態やライフスタイルに合わせた治療法を、私と一緒に考えましょう。

当院では無料カウンセリングを実施しています。セカンドオピニオンとしてもお気軽にご活用ください。

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